ものおきごや。
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「アーサーさん。髪の毛切ってもらえます?」
そう言って、菊はアーサーに返事も聞かずに、持っていた銀色のはさみを押し付けた。
アーサーはにこりと笑って、静かにそれを受け取ると、白い布で前掛けをして縁側の淵に座った菊の髪の毛をさくっと音をたてて、丁寧に髪を切り始めた。
「綺麗だな、菊の髪の毛は。」
アーサーそう言うと、ははっと笑ってそっと撫でた。
伸びた髪の毛。
襟足は少し着物にかかっている。
アーサーは襟足をいつものところで切ると、伸びすぎたトップの毛に手をかけた。
優しくつまんで、すく。
落ちていく髪の毛を見て、菊は
「うまくなりましたね。アーサーさん。」
そう言って、笑った。
褒められるとアーサーは嬉しくなって、頬が自然と緩んだ。
ふと、こうやってアーサーに髪の毛を優しく切ってもらうのは何回目だろう、と菊は心の中で数えた。
なぜ、アーサーに切り始めてもらったかは覚えていない。
3000年近く生きているとこういうことなんてしょっちゅうだ。
ただ、嬉しい習慣なのは間違いない。
断言できた。
そのうち、しゃき、しゃきと同じようなリズムをたてて切られてゆく音を聞いているうちに菊は眠り込んでしまった。
歳には勝てませんね、と思いながら。
ゆっくりと目を開けると、懐かしい光景がそこにあった。
堂々と誇らしげに腰に刀を差してあるく武士。
大声を張り上げて、商品を頑張って売ろうとする商人。
楽しそうに道端で追いかけっこをする子供達。
目で走っていく子供を追っているうちに、見覚えのある着物を着た人を見つけた。
菊はそっとその人に付いていくと、その人が入っていった家を窓から覗いた。
長い、長い髪の毛の持ち主だった。
容姿も女性に見間違えるほどだったが、自分にはこの人は男性であることを知っていた。
窓越しに、「この夢を見るのも久しぶりですね」と言って苦笑いを零すと、「がんばってください、"私"」と言って、じっと見つめていた。
しばらくそこにいると、日が暮れてしまった。
陽はすでに消えて、か細い鈍色の光が幾重も重なって明かりが見えていた。
ドーン
どこかで銃声が聞こえる。
それと同時にドクンと心臓が跳ね上がる。
それと同時に大勢のがやがやとした声が、いたるところで聞こえる高い声の悲鳴や、低い銃声に混じって聞こえた。
夢の中の自分は、菊の居るほうの窓の走ってきて、外を眺めると絶句した。
彼が見たものは轟々と燃える猩々緋の色と、煙が消えていく黒紅の空だった。
そして、そこで立ちすくんでいると、ドンドンと家中に音が響いた。
視線は引き戸の方に向く。
一瞬音が止まったかと思うと、今度はバキン!と音を立てて、芥子色の髪の毛がふわふわと揺れて自分の目の前に現れた。
「まだ、こんなところに残っていたのか」
と言って、にやりと嫌に笑うと、夢の中の菊の長い墨色の髪の毛を掴んで外に連れ出そうとした。
自分は、
「・・・・っ!やめてください!」
と叫ぶと、髪の毛を掴んだ男が、
「お前、男なのか?」
と言って、顔を覗き込み、菊の震える焦げ茶色の瞳の行方を追った。
夢を見ている方の自分は、近くの茂みから二人をそっと見守る。
こっちの菊は、
「ああ、そうですね。こんな感じでしたね。」
と言った後、懐かしむように笑うと、二人を見つめる。
自分とアーサーとの初めての出会いは、こうして全くロマンティックではなかったけれど、それでも、こうやって何百年も記憶に残る記憶だったことに感謝していた。
「髪の毛が長いと、司教様に怒られるぞ・・・?」
そう言って、アーサーはそっと腰にさしてある小さいナイフを取り出すと、掴んでいた根元から思い切りばさっと乱暴に菊の髪の毛を切った。
それからアーサーはその髪を空に投げると、その髪は煙と一緒に黒紅の空に消えていった。
何千本もの墨色の糸は、まるで川の流れのように流れていった。
切られた自分は、じっとその光景を見つめて動けないままだった。
アーサーは、広がってきた炎のせいで悪党のような顔だったが、それもまた記憶に残るような綺麗な萌葱色の瞳がそこにあることで、後の自分はすごく彼のことを思い出しやすかったような気がした。
そこで菊がぱっと目を醒ますと、もう髪の毛は綺麗に切りそろえてあった。
そして、切ってくれたアーサーにお礼を言おうと探していると、甘い香りが鼻の中に入る。
「アーサーさん?」
名前を呼ぶと、アーサーは台所から顔を出し、
「今、紅茶入れてるんだ。飲むか?」
と言って、にへらと笑った。
菊は
「はい!」
と答えると、前掛けにしていた布をはたいてそこにおいておくとアーサーの所に向かった。
短い墨色の糸が少し舞って、すぐに落ちた。
---
アーサーが菊の髪の毛を切るシーンが書きたくて、書いてしまった。
いいよね、断髪。
なんか、こう、いい笑
なんかアーサーが悪い人みたいになりそうだから、ちょっと補足。
書いてないこと多いけど・・・。
力量がまだまだ足りない証拠ですね!
書き直しが必要かもなぁ、と思ってますがこれはこれで気に入っているのでよしなんですが、ね笑
で、ちゃんとアーサーは謝ってます。
いい訳とかなしでひたすら。
菊の髪の毛を無理矢理切ったこととか。
でも、菊はそれよりも初めてあったアーサーに心が若干動いたことが印象に残りすぎてる、って感じです。
・・・そのうちこのシーン書きそう笑
そう言って、菊はアーサーに返事も聞かずに、持っていた銀色のはさみを押し付けた。
アーサーはにこりと笑って、静かにそれを受け取ると、白い布で前掛けをして縁側の淵に座った菊の髪の毛をさくっと音をたてて、丁寧に髪を切り始めた。
「綺麗だな、菊の髪の毛は。」
アーサーそう言うと、ははっと笑ってそっと撫でた。
伸びた髪の毛。
襟足は少し着物にかかっている。
アーサーは襟足をいつものところで切ると、伸びすぎたトップの毛に手をかけた。
優しくつまんで、すく。
落ちていく髪の毛を見て、菊は
「うまくなりましたね。アーサーさん。」
そう言って、笑った。
褒められるとアーサーは嬉しくなって、頬が自然と緩んだ。
ふと、こうやってアーサーに髪の毛を優しく切ってもらうのは何回目だろう、と菊は心の中で数えた。
なぜ、アーサーに切り始めてもらったかは覚えていない。
3000年近く生きているとこういうことなんてしょっちゅうだ。
ただ、嬉しい習慣なのは間違いない。
断言できた。
そのうち、しゃき、しゃきと同じようなリズムをたてて切られてゆく音を聞いているうちに菊は眠り込んでしまった。
歳には勝てませんね、と思いながら。
ゆっくりと目を開けると、懐かしい光景がそこにあった。
堂々と誇らしげに腰に刀を差してあるく武士。
大声を張り上げて、商品を頑張って売ろうとする商人。
楽しそうに道端で追いかけっこをする子供達。
目で走っていく子供を追っているうちに、見覚えのある着物を着た人を見つけた。
菊はそっとその人に付いていくと、その人が入っていった家を窓から覗いた。
長い、長い髪の毛の持ち主だった。
容姿も女性に見間違えるほどだったが、自分にはこの人は男性であることを知っていた。
窓越しに、「この夢を見るのも久しぶりですね」と言って苦笑いを零すと、「がんばってください、"私"」と言って、じっと見つめていた。
しばらくそこにいると、日が暮れてしまった。
陽はすでに消えて、か細い鈍色の光が幾重も重なって明かりが見えていた。
ドーン
どこかで銃声が聞こえる。
それと同時にドクンと心臓が跳ね上がる。
それと同時に大勢のがやがやとした声が、いたるところで聞こえる高い声の悲鳴や、低い銃声に混じって聞こえた。
夢の中の自分は、菊の居るほうの窓の走ってきて、外を眺めると絶句した。
彼が見たものは轟々と燃える猩々緋の色と、煙が消えていく黒紅の空だった。
そして、そこで立ちすくんでいると、ドンドンと家中に音が響いた。
視線は引き戸の方に向く。
一瞬音が止まったかと思うと、今度はバキン!と音を立てて、芥子色の髪の毛がふわふわと揺れて自分の目の前に現れた。
「まだ、こんなところに残っていたのか」
と言って、にやりと嫌に笑うと、夢の中の菊の長い墨色の髪の毛を掴んで外に連れ出そうとした。
自分は、
「・・・・っ!やめてください!」
と叫ぶと、髪の毛を掴んだ男が、
「お前、男なのか?」
と言って、顔を覗き込み、菊の震える焦げ茶色の瞳の行方を追った。
夢を見ている方の自分は、近くの茂みから二人をそっと見守る。
こっちの菊は、
「ああ、そうですね。こんな感じでしたね。」
と言った後、懐かしむように笑うと、二人を見つめる。
自分とアーサーとの初めての出会いは、こうして全くロマンティックではなかったけれど、それでも、こうやって何百年も記憶に残る記憶だったことに感謝していた。
「髪の毛が長いと、司教様に怒られるぞ・・・?」
そう言って、アーサーはそっと腰にさしてある小さいナイフを取り出すと、掴んでいた根元から思い切りばさっと乱暴に菊の髪の毛を切った。
それからアーサーはその髪を空に投げると、その髪は煙と一緒に黒紅の空に消えていった。
何千本もの墨色の糸は、まるで川の流れのように流れていった。
切られた自分は、じっとその光景を見つめて動けないままだった。
アーサーは、広がってきた炎のせいで悪党のような顔だったが、それもまた記憶に残るような綺麗な萌葱色の瞳がそこにあることで、後の自分はすごく彼のことを思い出しやすかったような気がした。
そこで菊がぱっと目を醒ますと、もう髪の毛は綺麗に切りそろえてあった。
そして、切ってくれたアーサーにお礼を言おうと探していると、甘い香りが鼻の中に入る。
「アーサーさん?」
名前を呼ぶと、アーサーは台所から顔を出し、
「今、紅茶入れてるんだ。飲むか?」
と言って、にへらと笑った。
菊は
「はい!」
と答えると、前掛けにしていた布をはたいてそこにおいておくとアーサーの所に向かった。
短い墨色の糸が少し舞って、すぐに落ちた。
---
アーサーが菊の髪の毛を切るシーンが書きたくて、書いてしまった。
いいよね、断髪。
なんか、こう、いい笑
なんかアーサーが悪い人みたいになりそうだから、ちょっと補足。
書いてないこと多いけど・・・。
力量がまだまだ足りない証拠ですね!
書き直しが必要かもなぁ、と思ってますがこれはこれで気に入っているのでよしなんですが、ね笑
で、ちゃんとアーサーは謝ってます。
いい訳とかなしでひたすら。
菊の髪の毛を無理矢理切ったこととか。
でも、菊はそれよりも初めてあったアーサーに心が若干動いたことが印象に残りすぎてる、って感じです。
・・・そのうちこのシーン書きそう笑
「アーサーさん。髪の毛切ってもらえます?」
そう言って、菊はアーサーに返事も聞かずに、持っていた銀色のはさみを押し付けた。
アーサーはにこりと笑って、静かにそれを受け取ると、白い布で前掛けをして縁側の淵に座った菊の髪の毛をさくっと音をたてて、丁寧に髪を切り始めた。
「綺麗だな、菊の髪の毛は。」
アーサーそう言うと、ははっと笑ってそっと撫でた。
伸びた髪の毛。
襟足は少し着物にかかっている。
アーサーは襟足をいつものところで切ると、伸びすぎたトップの毛に手をかけた。
優しくつまんで、すく。
落ちていく髪の毛を見て、菊は
「うまくなりましたね。アーサーさん。」
そう言って、笑った。
褒められるとアーサーは嬉しくなって、頬が自然と緩んだ。
ふと、こうやってアーサーに髪の毛を優しく切ってもらうのは何回目だろう、と菊は心の中で数えた。
なぜ、アーサーに切り始めてもらったかは覚えていない。
3000年近く生きているとこういうことなんてしょっちゅうだ。
ただ、嬉しい習慣なのは間違いない。
断言できた。
そのうち、しゃき、しゃきと同じようなリズムをたてて切られてゆく音を聞いているうちに菊は眠り込んでしまった。
歳には勝てませんね、と思いながら。
ゆっくりと目を開けると、懐かしい光景がそこにあった。
堂々と誇らしげに腰に刀を差してあるく武士。
大声を張り上げて、商品を頑張って売ろうとする商人。
楽しそうに道端で追いかけっこをする子供達。
目で走っていく子供を追っているうちに、見覚えのある着物を着た人を見つけた。
菊はそっとその人に付いていくと、その人が入っていった家を窓から覗いた。
長い、長い髪の毛の持ち主だった。
容姿も女性に見間違えるほどだったが、自分にはこの人は男性であることを知っていた。
窓越しに、「この夢を見るのも久しぶりですね」と言って苦笑いを零すと、「がんばってください、"私"」と言って、じっと見つめていた。
しばらくそこにいると、日が暮れてしまった。
陽はすでに消えて、か細い鈍色の光が幾重も重なって明かりが見えていた。
ドーン
どこかで銃声が聞こえる。
それと同時にドクンと心臓が跳ね上がる。
それと同時に大勢のがやがやとした声が、いたるところで聞こえる高い声の悲鳴や、低い銃声に混じって聞こえた。
夢の中の自分は、菊の居るほうの窓の走ってきて、外を眺めると絶句した。
彼が見たものは轟々と燃える猩々緋の色と、煙が消えていく黒紅の空だった。
そして、そこで立ちすくんでいると、ドンドンと家中に音が響いた。
視線は引き戸の方に向く。
一瞬音が止まったかと思うと、今度はバキン!と音を立てて、芥子色の髪の毛がふわふわと揺れて自分の目の前に現れた。
「まだ、こんなところに残っていたのか」
と言って、にやりと嫌に笑うと、夢の中の菊の長い墨色の髪の毛を掴んで外に連れ出そうとした。
自分は、
「・・・・っ!やめてください!」
と叫ぶと、髪の毛を掴んだ男が、
「お前、男なのか?」
と言って、顔を覗き込み、菊の震える焦げ茶色の瞳の行方を追った。
夢を見ている方の自分は、近くの茂みから二人をそっと見守る。
こっちの菊は、
「ああ、そうですね。こんな感じでしたね。」
と言った後、懐かしむように笑うと、二人を見つめる。
自分とアーサーとの初めての出会いは、こうして全くロマンティックではなかったけれど、それでも、こうやって何百年も記憶に残る記憶だったことに感謝していた。
「髪の毛が長いと、司教様に怒られるぞ・・・?」
そう言って、アーサーはそっと腰にさしてある小さいナイフを取り出すと、掴んでいた根元から思い切りばさっと乱暴に菊の髪の毛を切った。
それからアーサーはその髪を空に投げると、その髪は煙と一緒に黒紅の空に消えていった。
何千本もの墨色の糸は、まるで川の流れのように流れていった。
切られた自分は、じっとその光景を見つめて動けないままだった。
アーサーは、広がってきた炎のせいで悪党のような顔だったが、それもまた記憶に残るような綺麗な萌葱色の瞳がそこにあることで、後の自分はすごく彼のことを思い出しやすかったような気がした。
そこで菊がぱっと目を醒ますと、もう髪の毛は綺麗に切りそろえてあった。
そして、切ってくれたアーサーにお礼を言おうと探していると、甘い香りが鼻の中に入る。
「アーサーさん?」
名前を呼ぶと、アーサーは台所から顔を出し、
「今、紅茶入れてるんだ。飲むか?」
と言って、にへらと笑った。
菊は
「はい!」
と答えると、前掛けにしていた布をはたいてそこにおいておくとアーサーの所に向かった。
短い墨色の糸が少し舞って、すぐに落ちた。
---
アーサーが菊の髪の毛を切るシーンが書きたくて、書いてしまった。
いいよね、断髪。
なんか、こう、いい笑
なんかアーサーが悪い人みたいになりそうだから、ちょっと補足。
書いてないこと多いけど・・・。
力量がまだまだ足りない証拠ですね!
書き直しが必要かもなぁ、と思ってますがこれはこれで気に入っているのでよしなんですが、ね笑
で、ちゃんとアーサーは謝ってます。
いい訳とかなしでひたすら。
菊の髪の毛を無理矢理切ったこととか。
でも、菊はそれよりも初めてあったアーサーに心が若干動いたことが印象に残りすぎてる、って感じです。
・・・そのうちこのシーン書きそう笑
そう言って、菊はアーサーに返事も聞かずに、持っていた銀色のはさみを押し付けた。
アーサーはにこりと笑って、静かにそれを受け取ると、白い布で前掛けをして縁側の淵に座った菊の髪の毛をさくっと音をたてて、丁寧に髪を切り始めた。
「綺麗だな、菊の髪の毛は。」
アーサーそう言うと、ははっと笑ってそっと撫でた。
伸びた髪の毛。
襟足は少し着物にかかっている。
アーサーは襟足をいつものところで切ると、伸びすぎたトップの毛に手をかけた。
優しくつまんで、すく。
落ちていく髪の毛を見て、菊は
「うまくなりましたね。アーサーさん。」
そう言って、笑った。
褒められるとアーサーは嬉しくなって、頬が自然と緩んだ。
ふと、こうやってアーサーに髪の毛を優しく切ってもらうのは何回目だろう、と菊は心の中で数えた。
なぜ、アーサーに切り始めてもらったかは覚えていない。
3000年近く生きているとこういうことなんてしょっちゅうだ。
ただ、嬉しい習慣なのは間違いない。
断言できた。
そのうち、しゃき、しゃきと同じようなリズムをたてて切られてゆく音を聞いているうちに菊は眠り込んでしまった。
歳には勝てませんね、と思いながら。
ゆっくりと目を開けると、懐かしい光景がそこにあった。
堂々と誇らしげに腰に刀を差してあるく武士。
大声を張り上げて、商品を頑張って売ろうとする商人。
楽しそうに道端で追いかけっこをする子供達。
目で走っていく子供を追っているうちに、見覚えのある着物を着た人を見つけた。
菊はそっとその人に付いていくと、その人が入っていった家を窓から覗いた。
長い、長い髪の毛の持ち主だった。
容姿も女性に見間違えるほどだったが、自分にはこの人は男性であることを知っていた。
窓越しに、「この夢を見るのも久しぶりですね」と言って苦笑いを零すと、「がんばってください、"私"」と言って、じっと見つめていた。
しばらくそこにいると、日が暮れてしまった。
陽はすでに消えて、か細い鈍色の光が幾重も重なって明かりが見えていた。
ドーン
どこかで銃声が聞こえる。
それと同時にドクンと心臓が跳ね上がる。
それと同時に大勢のがやがやとした声が、いたるところで聞こえる高い声の悲鳴や、低い銃声に混じって聞こえた。
夢の中の自分は、菊の居るほうの窓の走ってきて、外を眺めると絶句した。
彼が見たものは轟々と燃える猩々緋の色と、煙が消えていく黒紅の空だった。
そして、そこで立ちすくんでいると、ドンドンと家中に音が響いた。
視線は引き戸の方に向く。
一瞬音が止まったかと思うと、今度はバキン!と音を立てて、芥子色の髪の毛がふわふわと揺れて自分の目の前に現れた。
「まだ、こんなところに残っていたのか」
と言って、にやりと嫌に笑うと、夢の中の菊の長い墨色の髪の毛を掴んで外に連れ出そうとした。
自分は、
「・・・・っ!やめてください!」
と叫ぶと、髪の毛を掴んだ男が、
「お前、男なのか?」
と言って、顔を覗き込み、菊の震える焦げ茶色の瞳の行方を追った。
夢を見ている方の自分は、近くの茂みから二人をそっと見守る。
こっちの菊は、
「ああ、そうですね。こんな感じでしたね。」
と言った後、懐かしむように笑うと、二人を見つめる。
自分とアーサーとの初めての出会いは、こうして全くロマンティックではなかったけれど、それでも、こうやって何百年も記憶に残る記憶だったことに感謝していた。
「髪の毛が長いと、司教様に怒られるぞ・・・?」
そう言って、アーサーはそっと腰にさしてある小さいナイフを取り出すと、掴んでいた根元から思い切りばさっと乱暴に菊の髪の毛を切った。
それからアーサーはその髪を空に投げると、その髪は煙と一緒に黒紅の空に消えていった。
何千本もの墨色の糸は、まるで川の流れのように流れていった。
切られた自分は、じっとその光景を見つめて動けないままだった。
アーサーは、広がってきた炎のせいで悪党のような顔だったが、それもまた記憶に残るような綺麗な萌葱色の瞳がそこにあることで、後の自分はすごく彼のことを思い出しやすかったような気がした。
そこで菊がぱっと目を醒ますと、もう髪の毛は綺麗に切りそろえてあった。
そして、切ってくれたアーサーにお礼を言おうと探していると、甘い香りが鼻の中に入る。
「アーサーさん?」
名前を呼ぶと、アーサーは台所から顔を出し、
「今、紅茶入れてるんだ。飲むか?」
と言って、にへらと笑った。
菊は
「はい!」
と答えると、前掛けにしていた布をはたいてそこにおいておくとアーサーの所に向かった。
短い墨色の糸が少し舞って、すぐに落ちた。
---
アーサーが菊の髪の毛を切るシーンが書きたくて、書いてしまった。
いいよね、断髪。
なんか、こう、いい笑
なんかアーサーが悪い人みたいになりそうだから、ちょっと補足。
書いてないこと多いけど・・・。
力量がまだまだ足りない証拠ですね!
書き直しが必要かもなぁ、と思ってますがこれはこれで気に入っているのでよしなんですが、ね笑
で、ちゃんとアーサーは謝ってます。
いい訳とかなしでひたすら。
菊の髪の毛を無理矢理切ったこととか。
でも、菊はそれよりも初めてあったアーサーに心が若干動いたことが印象に残りすぎてる、って感じです。
・・・そのうちこのシーン書きそう笑
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